バイヤー

仕事内容・役割

バイヤーの仕事・バイヤーの役割|仕事内容や果たすべき役割についてご説明します

バイヤーとはどんな仕事なのか、どんな役割を担っているのかを、できるだけ簡単にわかりやすくご説明したいと思います。アクティブ・コンサルティングの豊富なバイヤー研修の実績に基づいたご説明ですので、初めて学ぶ方でもご理解いただけると思います。

バイヤーの仕事・バイヤーの役割

バイヤーの心構え

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1.バイヤーの仕事は消費者の購買代行

バイヤーの仕事をひとことで言うと、消費者の購買代行です。消費者 が、自分で生産地まで行って商品を購入してくるのは困難ですから、 その代わりに商品を選んで購買してくるというのが、バイヤーの仕事で す。もちろん、現状の商品に不満であれば、消費者のために新たな商 品を自らの責任で開発するのも、バイヤーの仕事です。

2.バイヤーは売場づくりまで責任を持つ

バイヤーの仕事は、商品を仕入れて、店に送り届ければ終わるわけで はありません。最終的に消費者が購買して、満足いただくまでが、バイ ヤーの仕事です。実際には、店に仕入れた商品のコンセプトや意図を 正確に伝えて、商品の価値が売場で消費者に正しく理解してもらうま で、きちんと責任を持ちます。

3.バイヤーは販売数量と粗利益を重視する

バイヤーが最も重視しなければならない数値は、販売数量と粗利益で す。バイヤーの中には、粗利益率の高い商品、言い換えれば原価率の低い商品ばかりを買い漁っている人がいますが、明らかにこれは間違いです。なぜならば、いくら粗利益率が高くても、数多く売れなければ、 意味がありません。チェーンストアでは、数多く売れて、粗利益額を稼げる商品を売場に並べることが基本です。

4.商品のコストパフォーマンスを見極める

バイヤーに必要な能力の中で、最も重要なものは、商品のコストパフォ ーマンスを見極める能力です。具体的に言えば、目の前にある商品 は、価格をいくらにすると、自店でいくつ売れるかを予測する能力です。 どんなに良質な商品でも、消費者が購買をためらうような価格では、売 上数量は伸びません。常に良いものを安く提供する、これは時代を超え たバイヤーの使命です。

5.ベンダーとの共存共栄を目指す

商品のコストパフォーマンスを高めるためには、原料調達から販売まで のすべてのコストを対象に、ムダを徹底的に排除することです。ただ単 に机上の交渉で、ベンダーを値切るのではなく、ベンダーと協力して、 メーカーの内部まで踏み込んで、すべてのムダを排除する姿勢が大切 です。そのためには、バイヤーは1つのカテゴリーを長く担当して、勉強 に励まなければなりません。

市場動向の把握

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1.バイヤーは外に出て情報収集をする

今までに出会ったすべてのチェーンストアの経営者のほぼ全員が 口を揃えて、「バイヤーは部屋にこもっていないで、外に出て 欲しい」と語っています。バイヤーの命は鮮度の高い情報収集 ですから、これも当然のことです。自店を見る、競合店を見る、 街を見る、ベンダーの倉庫を見る、とにかく活動的なバイヤー になることが、成長の第一歩です。

2.マーケット拡大分野を把握する

鮮度の高い情報とは、何でしょうか。いちばん大切なことは、 消費者がいま何を求めているのか、それによってマーケットが 拡大している分野は何なのかを把握することです。これは複数 の情報を組合わせることで、見えてきます。インターネットや マスコミ情報もヒントにはなりますが、必ず自分の足を使って 一次情報を確認するということを習慣づける必要があります。

3.マーケットサイズを確認する

マーケットが拡大している分野は非常に魅力がありますが、次 に見極めなければならないのは、そのマーケットはどれくらい のマーケットサイズがあるのかということです。現状のマーケ ットサイズから将来的なマーケットサイズを予測しなければなりません。マーケットサイズと競合状況から、一定のシェアを 確保できる可能性の高い分野に取り組むことが必要です。

4.ベンダーから情報収集をする

日常的な取り扱い商品に関しては、ベンダーからの情報収集が 基本となります。ベンダーからは商品情報だけでなく、その商 品が属すカテゴリー全体の情報など、できるだけ幅広い情報を 集めるようにします。この場合でも、ベンダーの話しを鵜呑み にすることなく、必ず自分の足で集めた情報と突き合わせてみ て、自分の体系の中に位置づけて考えるようにします。

5.自店と競合店を見て現場の動きを把握する

バイヤーが行わなければならない情報収集の中でも、自店の店 頭の観察と、競合店調査は極めて重要です。自分の仕入れた商 品が実際に売れているのか、競合店ではどんな商品が売れてい るのかを分析することにより、次の仕入れに役立てる情報が得ら れるからです。バイヤーには1つでも多くの情報を集めて、それ を自分なりに体系化できる能力が不可欠です。

商品戦略とMD計画

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1.業態特性に応じた商品戦略を立てる

マーチャンダイジングとは、消費者の購買代行であり、それこそが、 バイヤーの仕事です。すなわち、自店の顧客が何を求めているのか、 正確に把握して、そのニーズに合った最適な商品を集めて、その商 品が支持されたら、一定期間は品切れにならないように、継続的に 提供することが商品戦略です。言い換えれば、自店はどんな顧客に 支持されたいのか、業態特性と店舗コンセプトを明確にしてそれに 適合する商品を取り揃えることが商品戦略になります。

2.店舗のグルーピングをする

チェーン店ですから、すべての店舗が完全に標準化されていれば、 何も問題はないのですが、実際には1つの企業に複数の形態の店 が含まれていたり、地域によってニーズが異なっていたりします。 したがって、バイヤーがまずやらなければならない仕事は、自店の 全店を共通の基準で分類して、グルーピングをすることです。適切 なグルーピングができないと、商品戦略やMD計画に狂いが生じて しまうので、要注意です。

3.商品構成グラフを作成する

商品戦略を具現化するためには、商品構成グラフを作成します。
作成の方法は、横軸に価格を取り、縦軸にフェイス数または陳列数 を取って、いくらの商品を、いくつ陳列するかを設定します。この商 品構成グラフについては、知識としては知っていても、本当の意味で 使いこなせているバイヤーは少ないようです。商品構成グラフを使い こなせるようになることは、バイヤーの必須条件です。

4.MD計画を立案する

商品構成グラフを作成したら、今度は実際にどのメーカーのどの 商品を、商品構成グラフに当てはめるかを検討します。予定した 売上数量や粗利益が確保できる商品を選定することが重要です。 いつ、どの商品を仕入れて、どのくらい販売するかなどを決めるこ とが、MD計画になります。当てはまる商品がない場合は、新たな ベンダーを開拓するか、自らPB商品を開発するなどの方法を考え ます。もちろん、既存のベンダーとも、商品戦略に適合するような 条件となるように交渉します。

5.棚割を作成する

バイヤーの仕事は、消費者が購買して満足するまで完了しないので あり、実質的には売場づくりにまで責任を持つことが必要です。売場 づくりの最も重要な仕事が、棚割の作成です。棚割の作成は、商品 構成グラフに基づいて選択した商品を、実際のゴンドラの中にどのよ うに配置するかを決めるのです。棚割は、商品戦略の仕上げというこ とができます。

ベンダーとの交渉

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1.常に新しいベンダーを開拓する

バイヤーが最初に肝に銘じておかなければならないことは、常に新しい ベンダーを開拓する必要があるということです。1年間に、3割程度は新 しいベンダーが増えて、適宜、旧ベンダーと入れ替えがあるのは、ごく 普通のあり方です。過去のしがらみなどに一切縛られることなく、消費 者のために本当に必要なベンダーかどうかを判断基準として、常に積 極的に開拓することが必要です。

2.条件に応じた仕入価格を提示してもらう

ベンダーには、取引条件を変更したら仕入価格がどのように変わるの か、すべての条件に応じた仕入価格を提示してもらうようにします。ここ で言う取引条件とは、1回当たりの取引数量、年間取引数量ないしは金 額、納品単位、支払サイト物流頻度などを意味しています。バイヤー は、ベンダーごとに、すべての取引条件と仕入価格の関係を把握した 上で、適宜、最も有利な仕入れ方法を選択します。

3.ベンダーとの信頼関係を築く

バイヤーとベンダーは、ビジネスを行っているのであり、上下の関係が あるわけではありません。したがって、パートナーとして、お互いの信頼 関係を構築することが大切です。できれば定期的にトップ同士が交流を 図るなど、幅広い情報交流をするようにします。企業対企業の信頼関係 を前提に、消費者のために、いかにムダをなくして、良い物を安く販売で きるように協力して、取り組めるようにしていきます。

4.カテゴリーキャプテンを選定する

チェーンストアは自店の販売データなどは分かりますが、カテゴリー全 体の市場動向や、エリア全体の市場動向などは、把握していません。 また1人のバイヤーは複数のカテゴリーを担当しているので、1つのカ テゴリーに当てる時間はメーカーより少なくなります。それをカバーする ために、カテゴリーごとに、特定メーカーを、カテゴリーキャプテンに任 命して、カテゴリー全体を伸ばす提案をしてもらい、協力して売場改善 に取り組みます。

5.商談交渉力を高める

バイヤーは消費者の購買代行を行っているのであって、それを具現化 するために、商品構成グラフを作成するのですから、何としても、商品 戦略を全力をあげて実現しなければなりません。理想通りの棚割を作 成して、目標通りの売上数量と粗利益額を確保するためには、ベンダー との粘り強い交渉が必要です。その意味でバイヤーは、心理学や交渉 力について、体系的に学ばなければなりません。

店舗指示の徹底

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1.52週販促計画を立案する

企業規模によって組織形態が異なりますが、一般的には、バイヤーが 52週セールスプロモーションプランを立案する業務を担います。そし て、それにしたがって、52週マーチャンダイジングプランを作成します。 それに基づいて、定期的な定番の棚割変更と、シーズンに応じたアウト 展開の棚割と具体的な販促策を作成します。

2.ロスリーダーの確保をする

新規客を集めることに重点を置く、シーズンにあわせたセールや、在庫 一掃を目的としたクリアランス、さらにイベント、キャンペーンなど、各販 促策にはそれぞれ狙いがあります。そして、その狙いに応じて、バイヤ ーはロスリーダーすなわち目玉商品を準備する必要があります。52週 セールスプロモーションに合わせて、できるだけ早めにベンダーに告知 して、魅力的なロスリーダーを確保することが大切です。

3.粗利ミックスのMD計画を立てる

バイヤーは、粗利ミックスという概念を持ち、ロスリーダーを活用しなが らも、常にトータル粗利を目標通りに確保しなければなりません。定番 でも当然、必要な概念ですが、特にエンド陳列や平台陳列などのプロ モーショナルスペースの展開では、重要な概念となります。バイヤー は、品目ごとの粗利益率と販売数量を細かく予測して、MD計画を立て ることが必要です。

4.販促指示書を作成し伝達する

バイヤーが作成した販促企画と棚割等に関しては、販促指示書を作 成して、売場に伝達します。販促指示書には、テーマ設定の意味、主力品 目の選定理由、棚割などを記載することはもちろんですが、できれば写 真やイラストにより、実際の展開方法を詳しく伝達することが大切です。 バイヤーの販促指示書の作成レベルによって、実績が大きく左右されます。

5.店舗に行き売場を確認する

バイヤーの仕事は、販促指示書を作成するまでではありません。販促 指示書で定めた期日までに、実際に売場が販促指示書通りに作られた かどうか、自分の目で確認することが大切です。ただし、全店に足を運 ぶのは、不可能ですから、バイヤーはモデル店を選定して見に行き、あ とはスーパーバイザーなどと連携して、チェックする仕組を作ります。 売場づくりが完成して、はじめて自分の役割が果たせたのだという意識 を持つことが重要です。

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